直列2気筒エンジンの慣性力・偶力

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概要

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以下の直列2気筒4ストロークエンジンについて慣性力及び慣性偶力を解析する。
シリンダは前から1,2の順番である。
前から見るとエンジンは右回転である。
点火順序は 1-2 とする。
点火間隔は720度/2=360度である。
クランクピンの配置は、下図のとおりである。
1,2 SVGの代替画像
角度を入力して指定角度をクリックすると横断図及び右側面図が変化します。
自動回転をクリックするとエンジンが回転します。回転を止めるにはSTOPをクリックします。
角度θ=

※θはクランクシャフトを中心とし鉛直方向とクランクピンに挟まれた右回りの角度である。
各シリンダー横断図・右側面図
SVGの代替画像

特徴

最近フィアット500で875ccの直列2気筒エンジン(ツインエアー)が採用されている。
本質的に単気筒エンジンを2個並べただけなので、慣性力も2倍となるのでツインエアーでは逆回転で回転するバランスシャフトで打ち消している。

各気筒の行程

下図は青が吸気バルブが開いている期間、赤が排気バルブが開いている期間を示している。グラフの左側の数字はシリンダ番号を示している。
SVGの代替画像

1次慣性力

エンジンが1回転に1回発生する成分で、cos \theta に係数を乗じたものである。
単気筒を2横に並べた構造なので、1次慣性力は倍となる。
実際の慣性偶力の値は、以下のとおりである。
F=M \omega^2 s \cos \theta
M:往復質量/気筒 S:ストローク
ω:角速度 πn/30
n:エンジン回転数 rpm

2次慣性力

エンジンが1回転に2回発生する成分で、cos 2\theta に係数を乗じたものである。
単気筒を2横に並べた構造なので、2次慣性力は倍となる。 実際の慣性偶力の値は、以下のとおりである。
\displaystyle F=M \omega^2 s ( \frac{1}{2 \lambda} + \frac{1}{64 \lambda^3} + \frac{15}{4096 \lambda^3})\cos 2 \theta
M:往復質量/気筒 S:ストローク
ω:角速度 πn/30
n:エンジン回転数 rpm

4次慣性力

単気筒を2横に並べた構造なので、4次慣性力は倍となる。 実際の慣性偶力の値は、以下のとおりである。
\displaystyle F=-M \omega^2 s (\frac{1}{32 \lambda^3}+\frac{3}{1024 \lambda^5} ) \cos 4 \theta
M:往復質量/気筒 S:ストローク
ω:角速度 πn/30
n:エンジン回転数 rpm

6次慣性力

エンジンが1回転に6回発生する成分で、cos 6\theta に係数を乗じたものである。
単気筒を2横に並べた構造なので、6次慣性力は倍となる。
実際の慣性偶力の値は、以下のとおりである。
\displaystyle F=M \omega^2 s \frac{9}{8192 \lambda^5} \cos 6 \theta
M:往復質量/気筒 S:ストローク
ω:角速度 πn/30
n:エンジン回転数 rpm

1次慣性偶力

前後が対称なので、モーメントは発生しない。

2次慣性偶力

前後が対称なので、モーメントは発生しない。