スターター

スターター

エンジンのスターターの動きを図にしてみました。イグニッションキーの操作からエンジン停止まで約27秒で表現しています。ピニオンとリングギアの位置関係によって動作が異なるため一連の動作は約54秒となります。Engin Startボタンをクリックするとスターターが作動します。なお、動作説明のため動作を誇張したり時間を長めにとったりしており実際の動作と一部異なるところがありますのでご了承願います。
タイミングチャートの緑線はピニオンが移動時にリングギアに衝突したときの動作を示しています。
×1000rpm 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 START Acc ON LOCK C S B M ギアの位置関係 Upper Level Lowwer Level + - ホールディングコイル プルコイル メインスイッチ プランジャー ドライブレバー ピニオンギアー ヘアピンスプリング オーバーランニングクラッチ リングギア SVGの代替画像
タイミングチャート START Hold Coil Main SW Pull Coil Motor Engin SVGの代替画像
エンジン停止中
0
イグニッションキーをSTARTにするとプルコイル及びホールディングコイルに電流が流れます。
電流が流れることによりプランジャーを引き込みドライブレバーがピニオンギアを押し出します。
ピニオンギアとリングギアが衝突しない時。

ピニオンギアとリングギアがある程度かみ合ったときにプランジャーによりメインスイッチが閉じモーターのアーマチャに大電流が流れモーターが回転します。
モーターの回転によりシャフトのスプラインでピニオンギアが最終位置まで回転しながら押し出されます。

ピニオンギアとリングギアが衝突した時。

ピニオンギアとリングギアが衝突するとドライブレバーはそれ以上動けなくなれますが、プランジャーとドライブレバーはヘアピンスプリングで接続されているのでプランジャーのみ引き込まれメインスイッチを閉じます。
モーターのアーマチャに大電流が流れモーターが回転します。 モーターの回転によりシャフトのスプラインでピニオンギアが最終位置まで回転しながら押し出されます。

ピニオンギアによりエンジンのクランク接続されているリングギアが回転しエンジンを始動します。 エンジンが始動するとリングギアによりピニオンギアが高速に駆動されます。ワンウェイクラッチの働きによりモーターへ回転は伝わらずモーターを保護します。
イグニッションキーをSTARTからON位置にするとプルコイルには逆向きの電流が流れ急速にプランジャーを元に戻します。メインスイッチが開きアーマチャの電流が切れモーターが止まります。 本図は動作原理を示したものであり、実際はいろいろなタイプがあります。
リングギアーとピニオンギアーはかみ合いやすいように台形状の形状をしています。
ピニオンギアーとリングギアーの減速比は8~15程度である。
シャフトとピニオンギアの間にはスプラインが切られており回転によりリングギアー側に移動することできます。
実際のスターターは小型のモーターでトルクを大きくするために減速ギアーが組み込まれていることが多いです。
寒冷地仕様ではモーターの出力が大きいものが使用されバッテリーも容量が大きなものが使われることがあります。
プルインコイルの動作時間は数10m秒程度です。
始動時のみ使用するため1回の最大連続使用時間は30秒で設計されています。
以下にVivioとSKYLINE R34のスターターの仕様を示します。いずれもリダクションタイプである。
アイドリングストップ時の再始動をスターターで行うTANTOはプルコイル及びホールディングコイルをリレーで別々に制御しているので停止前でもエンジンを再始動することができます。
Vivio KK3C53M R34 標準 R34 寒冷地 TANTO L375
出力 0.65kW 1.0KW 1.4kW 0.8kW
定格 30秒
無負荷特性 120A (11.5V 3000rpm以上)
重量 3.15kg 2.8
ドライブレバーについては樹脂製が多いようである。