名鉄6000系
概要
通勤ラッシュに対応して、1976年(昭和51年)から名鉄が製造した通勤用3扉車である。
それまでのパノラマカー(7000系)の全電動車に対して、大出力の電動機を使用し、1M1Tとし経済性を考慮した。
抵抗制御の6000系からスタートし、省エネを考慮し回生付きの4両編成の界磁チョッパの
6500系、2両編成の界磁添加励磁制御の
6800系がある。
車体は全て普通鋼製で、色は、名鉄スカーレット1色である。
6000系は、先頭部に貫通扉を備えており、編成間で通行が可能である。
先頭車の貫通扉に系統板を設置する場所があり、イラストが描かれたものが掲げられることがある。
2023年現在、名鉄では最も古い営業車であり、廃車が始まっている。
軌間 | 1,067 |
電気方式 | 直流 1,500V |
製造所 | 日本車両製造 |
最高速度 | 100km/h |
6000系概要
1976~1983 4両編成
1978~1985 2両編成(9次車(6045~6252 全部廃車されている)からは車体は、鉄仮面)
4両編成と2両編成の先頭車は同一仕様であり、4両編成から中間車2両を除くと2両編成となる。
1977年には鉄道友の会よりブルーリボン賞に選出されている
車両番号は豊橋側を1号とし、編成は、豊橋側の先頭車両の車両番号にFまたは編成を付けてあらわす。
4両編成
号車 | 6000系 | 搭載機器 |
1 | ク6000 Tc | MG,CP |
2 | モ6300 M | CON,PT |
3 | サ6100 T | MG,CP |
4 | モ6200 Mc | CN,PT |
2両編成
号車 | 6000系 | 搭載機器 |
1 | ク6000 Tc | MG,CP |
2 | モ6200 Mc | CN,PT |
MG:電動発電機 9~10次車はSIV
CP:空気圧縮機
PT:集電装置
増備上での変更点
一部は2両編成で製造後、瀬戸線で中間車を増結して4両編成としたため編成番号が変則的になっている。
次(製造年) | 編成 | 適用 |
1(1976年) | 6001~6006 | 床面が1,150mm |
2(1977年) | 6007~6008 | 〃 |
3(1978年) | 6009~6014 | 〃 2両編成のみ |
4(1979年) | 6015~6017 | 客用扉窓の大型化、貫通扉が片開、床面が1,110mm |
5(1980年) | 6018~60276031~6032 | 側面窓が開閉式(一段小上昇窓) 冷房装置*2台に減少 |
6(1981年) | 6028~6030 | 軽量化 側面窓隅の寸法変更 |
7(1982年) | 6035~6036,6033 | 〃 |
8(1983年) | 6038~6041 | 〃 |
9(1984年) | 6045~6048 | 4両編成は6500系に移行、2両編成は車体が6500系の鉄仮面仕様で機器は6000系と同様 |
10(1985年) | 6049~6052 | 4両編成は6500系に移行、2両編成は車体が6500系の鉄仮面仕様で機器は6000系と同様 |
2両編成の6000系の9次~10次はすべて廃車になっているため、車体が鉄仮面で2両の編成は現在存在しない。
6000系はすべてロングシートに改造されている。
車体
4両編成 | 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 |
2両編成 | 1号車 | | | 2号車 |
形式 | ク6000 Tc | モ6300 M | サ6100 T | モ6200 Mc |
全長(連結器を含む) | 18,950 | 18,830 | 18,830 | 18,950 |
車体長 | 18,200 | 18,100 | 18,100 | 18,200 |
全幅 | 2,730 | 2,730 | 2,730 | 2,730 |
全高さ | 3,880 | 4,200 | 3,880 | 4,200 |
台車中心間隔 | 12,400 | 12,400 | 12,400 | 12,400 |
扉 | 3扉 | 3扉 | 3扉 | 3扉 |
単位はmmで示している。
内装
当初はクロスシートであったが、その後全部ロングシート仕様となった。
貫通部扉
1~3次車(6001~6014)
4~8次車(6015~6044)
運転台
ワンマン対応(6039F 2両編成)
ツーハンドル(6021F 2両編成)
走行機器
電動機
東洋電機製造製の直流直巻補極補償巻線付電動機 外扇型
TDK-8050A形 150kW 750V 2000rpm
駆動方式
中空軸
TD平行カルダン駆動方式
歯車比
85:14 = 6.07
制御装置
抵抗制御直並列制御
三菱電機 CB-27C-55 1C4M
力行
直列17段
並列8段
弱め界磁4段
制動 17段
モ6200 海側の中扉付近 床下機器(抵抗器)
左から界磁抵抗器、真ん中は電制抵抗器の文字が見える。
台車
ボルスタ付空気バネ
電動車台車 住友金属工業 FS398
付随車台車 住友金属工業 FS098
台車
軸箱支持装置
SUミンデン
固定軸距離(mm)
2,100
車輪径(mm)
860
制動装置
発電ブレーキ併用のHSC-D形電磁直通ブレーキ
基礎ブレーキ クラスプ式(両抱え式)
発電ブレーキ使用時は、抵抗で発電した電力を消費するため、停車後の抵抗の上は床等含めて非常に熱い。また、停車後、中扉が開くと熱風が車内に入ってくる。
集電装置
菱形パンタグラフ
PT42-F3-M形
補助電源装置
電動発電機 CLG-326N 60KVA
空気圧縮機
空気圧縮機C-1000
連結器
豊橋側
小型密着自動連結器+
M式自動解結装置(固定側)
岐阜側
小型密着自動連結器+
M式自動解結装置(可動側)
車両間
棒連結器
連結面間 730mm