SM(Straight air brake / Motor car)

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概要

SM(Straight air brake / Motor car: 電車用直通空気ブレーキ)は、 供給溜め (Supply Reservoir: SR) と呼ばれる加圧された空気タンクから、運転台まで導かれた空気溜め管から直通管(SAP)を通して空気圧を供給し、通常 運転台のブレーキ弁により直接ブレーキシリンダーに加圧空気を送りブレーキをかける。ブレーキの強さを空気の圧力で指令する。ブレーキ管及び各ブレーキシリンダーに直接空気を供給しなければならない。
連結時に列車が分離するとブレーキが作動しなくなるため1両で運用する。

動作説明

緩弛み

ブレーキ弁を緩み位置にすると、ブレーキ管と待機が接続され、空気が抜けるため、ブレーキ間圧力が低下しブレーキが解除される。

重り

ブレーキ弁を重なり位置にするとすべての管との接続がなくなるため、ブレーキ圧力が維持される。

常用全ブレーキ

ブレーキ弁を常用全ブレーキ位置にすると、空気ため管(MR)とブレーキ管が接続され、元空気溜めからブレーキシリンダーへ空気が供給され、ブレーキが作動する。ブレーキ力は、空気の供給により強まるため、所定のブレーキ力になったときにブレーキ弁を重なり位置にすると所定のブレーキ力が維持される。

非常ブレーキ

基本動作は、常用全ブレーキと同様である。違いは、空気ため管(MR)とブレーキ管がブレーキ弁内でより広く接続されるため、空気の供給が速やかに行われ、ブレーキの立ち上がりが早い。

アニメーション

以下のプッシュボタンを押すと各動作のアニメーションが動作する。

元空気溜 ブレーキ弁 空気圧縮機 ブレーキシリンダー ブレーキシリンダー 大気解放← < 0 200 400 600 800 1000 kPa 元空気溜 ブレーキ弁

採用例

SM-3直通空気ブレーキ(ブレーキ弁の例 PV3)を採用した名鉄 モ590型の場合、以下の構成である。
ブレーキ弁 PV-3 三菱電機株式会社 空気圧縮機 DH-16 450リットル/分 DC600V 3kW
以下の写真は、PV-3であり下側が入り弁、上側が弛み弁である。排気弁は電車の床下の消音器に接続されている。