山本ワールド
大人の科学 真空管ラジオVer.2
降圧コンバータでA電源をジャンクの冷陰極管用インバータ(CXA-0199)を使ってB電源を作成する。
降圧コンバーターで1.4Vを(降圧コンバーターの製作)、B電源をジャンクの冷陰極管用インバータ(CXA-0199)で作成してラジオを駆動してみた。電源は新品で購入した単三電池4本を直列に降圧コンバーターとジャンクの冷陰極管用インバータを並列に接続した。注意すべき点は、インバーター基板の高圧側がGNDに接続されているのでPカッター等で基板をカットしなければならない。B電源はフィルタ回路の100Ωを短絡状態で37Vを得た。問題は、かなり消費電力が多いということだ。1hほど通電した後に動作状態で電圧・電流を測定したところ、消費電流が0.46A、電源電圧が4Vほどである。オリジナル(電力増幅管のフィラメントは並列に接続)が45V*0.005+1.4*0.2=0.51W程度の消費電力であるのに、4V*0.46=1.84W 電源の効率が28%ほどになっている。単三マンガン電池で実用に使えるのはせいぜい1時間といったところ。すごく改悪しているような気になってきた。降圧コンバータの効率は、62%ほどなので、インバータの方の入力は、1.84-1.4*0.2/0.62=1.39W 出力が 45*0.005なので、効率は16%といったところ。改善するならB電源側の効率アップであろう。ニッカド電池(1.4Ah)4本で駆動する場合、3h程度使用可能と思われる。希望としては1回の充電で、一夜使用可能といったところで、目標が0.1Aの消費電力と算定すると、結局4本では持たせられないということがわかった。電池6本でB電源の効率が50%以上とれれば可能といったところか、でもソーラーで充電するとすると、1日3時間程度フル充電と見積もった場合、7.2*1.4*1.5/3=5W程度の太陽電池が必要であり、実用的ではないという結論を得た。まあ真空管ラジオをソーラー化するのは無謀であろうか。せめて低周波部分はICを使えばかなり現実性が増す気がする。1球+IC ラジオといったところ。2球はダミーと化す。たぶん これ以上追求することはないであろうが。
ジャンクの冷陰極管用インバータ(CXA-0199)を使ってB電源(9V*5個)を6Vから作成する。 H20.6.8
このキットのB電源は9V積層電池を5個直列にして、45Vを得ているが9V電池は単三電池に比べれば格段に入手製が悪い。将来的にソーラーラジオにしようかなと思っているが、その手始めに6V程度から昇圧してB電源を得る実験をした。DC-DCコンバータにはジャンクの冷陰極管用インバータ(CXA-0199)に整流回路を追加しただけである。電源には単三電池を4本使用した。新品の電池を使うと57Vほどの電圧が得られた。弱って単三電池4本で3V近くになると40Vを切る程度である。これ以下になると受信が困難となる。
回路図は下記のとおりであるが、注意点として、この回路は負荷がないときは130Vrmsぐらい電圧が発生するので、注意が必要だ。もともと放電管を負荷として想定しており放電管が負性抵抗をしめす場合がある。その対策として出力に定電流特性を持たせているようだ。たとえばB電源の電源が入で、A電源が切りの場合、このケースとなるので、平滑コンデンサの値及び整流ダイオードの耐圧等は注意が必要だ。部品代はジャンクを使ったので1000円程度であろうか。課題として、高調波がビートダウンしている性か、ヒーンという音の処理と、A電源を作成する方法を考えねばならない。
概要 H20.6.7
1年ほど前に書店で見つけて思わず買ってしまった。27年ほど前、粗大ごみ置き場に真空管ラジオが良く捨ててあった、持ち帰って効くとちゃんと音が出るのが多かった。トランスレスラジオだったのなんとなくいやだったが、音はゆるいというか聞きやすい音であった覚えがある。いつかは真空管ラジオを作ってみたいなと思った。それから10年ほどたち、真空管等が入手しずらくなった。MJの売りたし・買いたしのページで求むとたしたら、なす型真空管とIFTが送られてきた。実家にまだあるかも。時を得て、1年ほど前に、なつかしさに書店で買ったしだいである。が、忙しさにかまけて、箱が部屋のオブジェとかしていた。暇というわけでないが、急に作りたくなった、製作した。
キットの概要
プリント基板上に部品は半田づけされており、製作に手間がかかるのは、りっぱなアンテナである。きっちり巻かないと緩んできて汚くなってしまう。音が出るまでに2時間ぐらいであろうか。ドライバまで付属しているので、必要なものは、電線同士をよって接続する箇所があるので絶縁テープである。
回路は、3球で、超再生検波に1K2、低周波電圧増幅1A2、電力増幅に2P3となっている。A電源が1.5V(単2*1本)、B電源(積層9V*5個)である。
私の部屋は6石スーパーでも1局か2局程度しか入らないので、窓際でかろうじて1局入った。音量はもう少しほしいところである。
イヤホンで聞く場合は、イヤホンジャックにより2P3のA電源が切れるようになっている。
回路構成
電源 積層9V電池*5個(消費電流 約4mA)
単2電池*1本(150mA)
検波
5極管の1K2/1T4/DF91を使用したグリット検波と思われる。なおプレートからアンテナコイルの2回巻きを介して再生が掛かっている。再生検波
コイルには等価的にインダクタンス成分と直列に抵抗がつながっている回路とみなすことができる。この直列抵抗によりコイルに損失が発生し、Qが低下する。このコイルの損失分を増幅された高周波信号の一部をコイルに戻して打ち消してやれば(抵抗でロスした分を補給してやれば)、理想的なコイルとなり、Qが大きくなり選択度が飛躍的にあがる。しかも並列同調回路は、共振状態において入力信号より大きな電圧が発生するので、感度も良くなる。入力信号と同じ方向の電圧を出力側から戻すので正帰還という。ただし、あまりコイルに戻しすぎると発振状態となる。発振条件は、増幅率をA、帰還率をβとすると1<=Aβとなる。簡単にいえば入力信号以上の信号を戻すと発振することになる。
フィラメントの規格 1.4V 0.05A
プレート電流 0.2182mA スクリーングリッド電流 0.0053mA
低周波電圧増幅
7極管の1A2/1R5/DK91を使用した電圧増幅回路である。7極管といえば自励式周波数変換に用いる管であるがこういう使い方をしている。しかも7極管を3極管接続して使用している。うまく、5極管接続にできれば電圧増幅率が上がるかもしれない。
フィラメントの規格 フィラメント 1.4V 0.05A
プレート電流+第2グリッド+第4グリッド 0.176mA
バイアスはLEDを使用。
電力増幅
5極管の2P3/3A4/DL93を使用した電力増幅回路である。なお3A5はフィラメントが2個あるが、消費電力削減のため片側のみ使用している。もう1つのフィラメントを並列に接続すれば音量が上がるかもしれない。出力はOPTを用いてインピーダンスマッチングを行っている。OPTは20年ぐらい前にあったトランジスタ用のST32ぐらいの大きさである。
フィラメントの規格 1.4V 0.1A*2 or 2.8V 0.1A
プレート電流+スクリーングリッド電流 3mA程度
バイアスはLED+抵抗を使用。
検波方式
グリッド検波(grid detection)
回路の特徴は、グリッド側に抵抗とコンデンサが並列になったものが直列につながっている。また、バイアスは浅く設定されている。(通常0Vなのでカソード抵抗がない。)
検波は、Eg-Ig特性を利用している。
変調波はB点に加わる。変調波の電圧が+の時は、Eg-Ig特性のとおり、グリッドに電流が流れる。電流が流れるとB-A間に電圧降下が生ずる。このときコンデンサに充電される。変調波の電圧が-の時は、グリッドに電流は流れず、先ほど充電されたコンデンサが放電される。この結果A点の電圧は、変調波が+の時は小さく、-の時は、さらに-側にふられる。この平均値が音声信号に近いものになる。B点の電圧が増幅され、プレート電流となる。プレート電流を負荷抵抗(チョークコイルを用いる場合が多い)で電圧に変換し、平均値を取り出すと、音声信号となる。後述するプレート検波に対して感度は良いが、変調波の電圧が大きいと歪み易い。直熱管を使う場合は、Rが違う場所についているケースがある。
プレート検波(plate detection)
回路の特徴は、グリット側とアンテナコイル等の間に抵抗がなく、グリットが直接つながれている場合が多い。また、カソード側に抵抗が入っている。バイアスは深め(負電圧)に設定されている。グリッド側は検波されていない高周波信号である。
検波はEg-Ip特性が直線でないことを使用している。直線でないとグリット検波と同様に、波形の上下が非対称となり、平均値は音声信号に比例する。
付属マイクを使って増幅実験をしてみる
1K2を抜いて変わりに付属のマイクを接続すると拡声器として使用できる。大きいのでスピーカをマイクと使用しているかと思い分解してみると中はエレクトロコンデンサマイクであった。
配線図は下図のとおりである。ECMと記入されているのがエレクトロコンデンサマイクである。