長良川鉄道 ナガラ300型

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概要

長良川鉄道で1998年~2001年に製造されたナガラ3形気動車である。
7両製造されそのうち、2025年6月現在303と305が廃車されている。
トップナンバー301は、1998年10月に落成され、現在で年経過している。
第三セクター鉄道等協議会が制定した標準型車両に準拠している。
富士重工業のLE-DCシリーズである。
運転台を前後に備え1両運転が可能の他、連結運転も可能である。
同形式の他、同じブレーキ形式である、ナガラ500型気動車と連結可能である。
301(森号)

302(鮎号)

304

305(廃車)


307(郡上おいでんかな号)


軌間1,067
機関ディーゼルエンジン
製造所富士重工業
最高速度80km/h
車両番号(製造年)適用
1301(1998)2016 観光列車 森号へ改造
2302(1998)2016 観光列車 鮎号へ改造
3303(1999)2024.2 廃車
4304(1999)えんどう歯科・矯正歯科クリニックラッピング
5305(2000)ヤマト運輸ラッピング 2025.5 廃車
6306(2000)八幡信用金庫広告
7307(2001)郡上おいでんかな号

車体

全長(連結器を含む)16500
車体長16000
全幅3090
全高さ4070
台車中心間隔11000
2扉
単位はmmで示している。

灯火類

ヘッドライトと標識灯を左右に備える。

内装

ナガラ306を除いてセミクロスシート
ナガラ306はイベント対応のため、ロングシート

運転台

左手がマスコン(白い取手)、右手がブレーキハンドルのツーハンドル式
写真中央の下側のレバーで変速段・中立・直結段を手動で切り替える。
写真中央の上側のレバーで後進・中立・前進を手動で切り替える。

以下の写真は、前後切替え、変速段・直結段切り替えレバーである。

走行機器

概要

日産ディーゼル PF6HT03 217kW(295PS 98.68kgf⋅m)/2100rpm
直接噴射式、ボア 133 mm × ストローク 150 mm、12,503cc 直列6気筒の水平シリンダー型
最大トルク: 120 kgf⋅m (1,200 N⋅m) / 1300 rpm
変速機 液体式(TACN-22-1604) 変速2段、直結1段
変速段と直結段はハンドルによる手動切り替えであり、必ず中立を経由する。
変速段は時速約40km/hで1段目と2段目が自動で切り替わる。
走行時の最高速は、美濃太田~関の平坦地で約75km/hで、その他の区間は60km/h程度。 力行時は主に変速段のみで走行、北濃行きで郡上八幡の前後の駅間距離が長い区間で約60km/h程度の時、直結段に投入して連続走行している状況が見られる。 エンジン音の感じでは、平坦地でも直結段を使用しているかもしれない。
以下の写真は同エンジンを搭載するナガラ501を撮影したものであり、中央がエンジンのシリンダヘッド、左側が液体変速機である。
排気系がエンジンの下側、吸気系がエンジンの上側にレイアウトされている。 赤褐色のパイプがエキゾーストパイプであり、太い方がターボチャージャーの出口側で写真の左側のマフラーに接続されている。
写真中央の円柱状の機器がエアクリーナーである。
シリンダヘッド右側が補器類側の出力軸であり、交流発電機、冷却器ファン、冷房のコンプレッサーを駆動している。

加速度
関富岡駅から関口駅間について運転台の速度計を撮影した動画を解析し、ノッチオフ等を削除して連続的な加速データを作成しグラフとしたものを以下に示す。
乗車定員は、座席47席がほぼ埋まった状態である。
発進から時速約40km/hまでが変速1段
時速約60km/hまでが変速2段、その後、直結段に手動で切り替え加速している。

駆動方式

1両の車両の2基の台車のうち、美濃太田側の台車が動台車であり2軸駆動である。
以下の写真は、第1減速機であり右側が液体変速機側である。

台車

枕ばねが上枕式の空気ばね、軸箱支持は軸ばね
動台車 FU34KD

付随台車 FU34KT

固定軸距離(mm)

1800

車輪径(mm)

762

制動装置

SME三管式直通ブレーキ 抑速用として機関ブレーキ、排気ブレーキを備える。

空気圧縮機

エンジンによるVベルト駆動

発電機

エンジン始動等に用いるバッテリーの充電用として充電発電機をVベルトで駆動している。
DC24V 140A+40A

燃料タンク

400リットルと200リットルの燃料タンクをそれぞれ1基ずつ搭載している。

連結器

小型密着自動連結器である。