1石ブロッキング発振回路のより白色LEDの点灯回路
概要
試作用にコンデンサーを100pFから0.01μFの間を数種類そろえるため、アメ横に久しぶりに行った。第二アメ横のクニ産業で、非常にシンプルな、LED点灯回路を組み立てたものがおいてあった。300円だったのでどんな回路か興味があったので組み立てキットを購入した。ネットで調べると良くあるブロッキング発振回路であった。製作で面倒なのはコイルをほどいて、中間タップを作り巻きなおすところであったが、部品数も少なく15分で完成した。弱った電池1.2Vで結構明るく点灯した。コイルについては定数が回路図に記入してなかったので、手持ちのLCRメータで両端を図ると80μHであった。基板は単なる穴あき基板であるが回路が簡単なので難しくはない。基板が細長いので10個ぐらいのLEDを実装することはできそう。点灯するかは別にして。
動作説明
オシロスコープで各部を測定してみた。安物なので目盛は光っていません。
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VCE:コレクタ・エミッタ間電圧
VBE:ベース・エミッタ間電圧 |
VR:コレクタと反対側のコイルの端子とGND間電圧
VCE:コレクタ・エミッタ間電圧 |
VRB:ベース抵抗間の電圧 3.3kΩで割るとベース電流 |
IC:コイル電流 |
RBからベースへ電流(IB)流れ、コレクタに(IC=IB*HFE)の電流が流れる。トランジスタがOn。L1に電流が流れることによりL2に電圧が発生する。この電圧はVCCとコレクタ電圧間の逆向きとなる。よって、約2VCCとなる。これによりコイルに充電され、トランジスタのVCE-IC特性の肩の領域入ると、これ以上電流が増えず、飽和する。(トランジスタよりコイルが先に飽和しても同様 このケースの場合、飽和しているときもHFE=200程度確保されており、コイルの方が限界に達しているかもしれない。)コイルは電流が増え続けることにより充電されるので、もはや充電されなくなる。よって、L1の両端の電圧が下がっていき(コレクタの電圧が上がる。)、L2の誘導電圧も減っていき、ベース電流は減っていく。ベース電流が0になるとトランジスタがoffとなり、コイルに逆方向の電圧が発生する。これによりLEDに電源電圧以上の電圧が加わり、点灯する。(L2側は負電圧となる。)LEDに電流が流れることによりコイルが放電していき、徐々に電圧が下がる。L2側の電圧は逆に上がってくる。ある程度上がるとベース電流が流れ始め、トランジスタがOnし発振が継続する。トランジスタがOnしている期間は、I=Vt/LよりLI/(2Vcc-VCE(sat)-VBE)で計算できる。(VCE(sat)は実測で0.26V IC=0.115A)トランジスタは2SC1815-Yで最大定格IC=0.15Aなので、余裕が少ないと思われる。また、LEDをはずすとトランジスタがoffになったときの逆起電圧がかなり高くなると思われ(はずして壊れたら意味がないが、おそらく数10V~ひょっとして100V近く)、トランジスタのVCE耐圧オーバーとさらに深刻なのがVBE耐圧 通常5V程度なのでトランジスタが壊れるので注意されたい。電源電圧を上げる場合は、ベース側のコイルの巻き数を少なくすれば良い。発振周波数は、1/(2.2e-6+0.45e-6)より377kHz